ユネスコ無形文化遺産に登録された手仕事によるガラス作りの技術や知識

手仕事によるガラス作りの知識、技術や技能が2023年12月6日ユネスコ無形文化遺産のリストに加わった。多国による申請が受理されたことはガラス制作の職人技、伝統を担う者たちそしてフィンランドの全ガラス業界にとって意味のある賛辞を受けたことになる。伝統を継承するには職人の仕事に可能性を見出し、技の真価を認め、技術や知識を次世代へと繋げていくことが求められる。

フィンランドと他5か国によるユネスコ人類無形文化遺産リストへの申請が2023年12月6日ボツワナで承認された。複数国での申請はフィンランドに加えフランス、ドイツ、スペイン、チェコ共和国そしてハンガリーにより行われた。フィンランドでは17のガラス業界、伝統の担い手たちの関連各所が申請の準備をした。フィンランドガラスミュージアムはフィンランドでこれを開始し10年をかけ調整してきた。2021年、教育文化省は文化遺産庁にフィンランドガラスミュージアムやガラス業界関連者と共に申請に向け調整することを認めた。

「我々は新たにユネスコの対象となったことを光栄に思う。これによりガラスに携わる素晴らしい作り手たち と無形文化遺産とフィンランドデザインのつながりがより明確になる。フィンランドには手工芸分野の高度な知識や技能があり、まさにその評価に値するものである。」と文化遺産庁のレーナ・マルシオは称賛する。

伝統維持には伝統の継承と吹きガラス職人の仕事に真価を認めることが求められる

フィンランドは数10年に渡りガラスデザインで国際的に広く知られている。デザインにはガラスを扱う技術と共にデザイナーと吹きガラス職人間にあるスムーズな連携作業が必要とされる。ガラスを扱う仕事は特に高度な技能が求められる手仕事であり、現存する無形文化遺産である。ユネスコ認定は伝統職人とフィンランドガラスがすでに世界で評価されているという確認になる。

「ガラス品はフィンランド人にとって特別な意味を持つもの。美学がたたえられ、高い品質と評判を誇りに思う。ユネスコの決定は知識や技術を保存し、更に発展することが可能になる。」とフィンランドガラスミュージアム館長、ハンナ・マミア-ウォルサーは言う。

1600年代末まで遡る伝統は今なお現存しているが、フィンランドでは少しずつ風化し、かたよったものになる恐れがあった。他の申請国でもこの同じ問題を抱えていた。伝統保存で重要な役割を果たすのは現存する伝統を維持し発展させるその担い手及び関連各所である。伝統保存には高品質な教育と伝統を次世代へ継承していくことが必要とされる。また使う側が手作業で作られたガラス品を高く評価することも職人技を保存していくことに繋がる。

ユネスコ決定により10年に渡るフィンランドガラスミュージアムのガラス業界評価のための努力が実を結ぶ

フィンランドガラスミュージアムは10年に渡り、ガラスに関する技術や知識をユネスコの無形文化遺産リストに登録するためにフィンランド国内ばかりでなく海外でも活発に活動を進めてきた。フィンランドガラスミュージアムは国の責任あるミュージアムとしてミュージアム界の更なる発展を目指すだけでなく社会的な役割をも担っている。

国内においてはガラス業界ネットワークの関係者たちを集め、2023年11月ガラス業界の保護活動を進展させるための包括的ネットワークが設立された。国際性は常にガラス業界の重要項目であり申請過程においても国際的に活動する人々やミュージアムとの協力を更に強化することとなった。

フィンランドガラスミュージアムは40年に渡り、吹きガラスの歴史及び現在についての情報収集を行ってきた。加えて国際的なプロジェクトやワークショップなどにより伝統的な職人技の復活も積極的に取り組んでいる。更にミュージアムでは特にフィンランドのものとされるガラス制作での作業方法、道具をコレクションとして保存し、伝統の担い手たちへのインタビューを続けていくだろう。

追加情報

ハンナ・マミア-ウォルサー(フィンランドガラスミュージアム館長)hanna.mamia-walther(at)riihimaki.fi、+358 40 330 4100

ウタ・ローレン(ガラス関連専門家、プロジェクト準備チームフィンランド部門専門メンバー)uta.lauren(at)gmail.com +358 40 131 3054

レーナ・マルシオ(文化遺産庁専門家)leena.marsio(at)museovirasto.fi、+358 2953 36017

ミルヴァ・マッティラ(文部科学省文化審議官)mirva.mattila(at)gov.fi、+358 58 2953 30269

メディア用PR写真と動画、プレスページ: https://museovirasto.fi/fi/medialle/lasi

ガラス関連関係者:

イッタラ、マスターとキサリ(技能資格修了者)、次世代への技術や知識の継承

ヘイッキ・プンカリ(Heikki Punkari、吹きガラス職人としてティモ・サルパネヴァのオルキデアなどの制作に携わり現在でもタバスティア職業専門学校で教師を務める)h.punkari(at)gmail.com

ア―ダ・ヴァイニオ aada.vainio(at)outlook.com、+358 45 639 6884

伝統の担い手、技術や知識、長いキャリアをもつガラス専門家(リーヒマキガラスなど)

ヤーッコ・リーカネン(リーヒマキ)jaska.liikanen(at)gmail.com

吹きガラス職人

カーポ・ラハデスマキ(Kaapo Lähdesmäki、ラシズミ、リーヒマキ)info(at)lasismi.fi、+358 41 705 0367、事前の同意でメディアによるガラス制作過程の取材可能

伝統教育

キルスティ・タイヴォラ(ガラス専門アーティスト、デザイナー、教師)kirsti.taiviola(at)aalto.fi、アアルト大学: +358 40 700 8543、事前の同意でアアルト大学ガラス工房でのメディアによるガラス制作過程の取材可能、連絡先(ガラス工房マスター): slate.grove(at)aalto.fi、+358 50 591 7877

デザインからの視点

ヘイッキ・オルヴォラ(デザイナー、吹きガラス職人たち、またイタリアのマスター職人たちと共にデザイナーとして従事。)heikki.orvola(at)gmail.com